国語脳・論理エンジン

出口 汪の論理エンジン

出口 汪 / でぐち ひろし

1955年,東京生まれ。東進衛星予備校講師の傍ら,自らの理想を追って設立した大学受験予備校スーパー・プレップ・スクール(SPS)と,受験参考書を発行し「論理エンジン」を編集・管理する出版社(株)水王舎を経営している。受験界での人気トップ現代文講師として20年以上活躍していて,その執筆になる参考書は発行部数300万部以上を数える。日本語の「論理」から合理的・客観的に難問を解明していくスタイルは,受験現代文の世界に革命をもたらしたと言われる。受講生の日本語が磨かれて「他教科の成績も向上する」「大学でも,社会に出ても役に立つ」という定評があり,単なる受験勉強を越えた「論理」は,受験生・大学生だけでなく,既に社会に出たかつての教え子たちからも熱い支持を得ている。

出口 汪の論理エンジン
次の人に最適です。
言語=感覚であり,言語=思考である。

 言葉を感覚的に使うと,それは感覚になり,規則に従って使うと,それは論理になる。私たちは日本語でものを考える限り,日本語の規則を知らなければならない。いや,知るだけではいけない。規則を無意識のうちに使いこなすまでにしなければならない。
 ところがそれは,日々のトレーニングによって,初めて習得できるものなのである。私たちは訓練などしなくても,日本語なら話せるし,読めるし,書くことができる。だが,言葉を論理的に使いこなしているかというと,こころもとないだろう。
 言葉を規則に従って使いこなすことができれば,論理力は飛躍的に高まる。それは学校で学ぶすべての教科・科目の土台となる力である。まさに,「一を聞いて十を知る」ようなこともできるようになる。こうした頭の使い方を,一部の子どもたちは無意識のうちに体験的に習得し,日常行っている。そういった子どもは「頭がいい」とされ,事実,死に物狂いの勉強をすることもなく,英語も数学も国語もできるのだ。
 だが─不幸にも─そういった頭の使い方を体験的に習得してはいなかったとしても,嘆くことはない。それを人から教われば,何の問題もないのである。また,生まれつき頭の使い方を知っていたところで,それは自己流であり,恣意的なものだ。それならば,その人がシステマティックにトレーニングを積むなら,もともと頭のいい人なのだから,その成果はさらに向上し,眼を見張るものがあるだろう。
 言葉の使い方を変えれば,世界のとらえ方が変わる。規則に従って世界をとらえ直すこともできれば,レトリックによって,世界をみずみずしく蘇らせることもできるのだ。学年や能力に関係なく,だれもが,しかも何年にもわたって,日常的に言語や論理を鍛えることのできる,体系的なトレーニング方法──それが「論理エンジン」である。 〈出口汪著『日本語トレーニング』(小学館刊)より〉

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